2. 計画

計画フェーズは、企画段階で整理した構想をもとに、実現に向けた条件や方針を具体化する段階です。目的や事業戦略を整理し、敷地・コスト・スケジュール・法規・運用方針等の多様な要素を総合的に検討することで、プロジェクト全体の判断軸を明確にし、実行可能な計画を構築します。
日建設計コンストラクション・マネジメント(NCM)は、発注者の意図や事業方針を的確に引き継ぎながら、プロジェクト目標の設定、要求条件・制約条件の整理、マスタースケジュールや概算事業費の検討等を段階的に支援します。
このフェーズでの検討の深度と整合性は、設計・発注・工事フェーズの品質・コスト・スケジュールに直結します。NCMは、中立的な立場から多角的に情報を整理し、発注者が将来にわたって納得できる判断を行える環境を整えます。
本ページでは、計画フェーズにおける主な検討プロセスと、NCMがどのように発注者の意思決定を支援するかを紹介します。
2-1 プロジェクト目標設定支援

建築プロジェクトを円滑に進めるためには、関係者間で共有すべき「共通の目標像」を早い段階で定めておくことが重要です。事業目的、施設の利用者像、建物に求められる機能や性能、完成時期、コスト水準等、プロジェクトに求められる要素は多岐にわたります。
これらが曖昧なまま進行すると、設計や工事の過程で認識のズレが顕在化し、調整や変更が必要となるリスクが高まります。初期段階で「何を実現すべきか」「何を優先すべきか」を明確にしておくことが、プロジェクト全体の意思決定の質を高めることにつながります。
NCMは、発注者や関係者との対話を通じて、プロジェクトの基本方針や優先順位を言語化・構造化します。また、目標が事業計画や運用方針と整合しているかを多角的に検証し、後工程での判断の軸となるような「共通認識」として整理します。発注者の想いや事業の方向性を丁寧に整理し、目指すべき未来像に現実的な道筋を与え、実行性の高い計画づくりへと導きます。
2-2 プロジェクト要求条件設定支援

プロジェクトの成功には、発注者の想いや期待を、具体的な条件に落とし込み、関係者全体で共有することが欠かせません。NCMは、ヒアリングや資料分析を通じて、空間構成・機能要件・性能・法規・安全性・環境対応等、多様な視点から必要な要件を抽出し、体系的に整理します。
このプロセスでは、現場の運用部門や将来の利用者への丁寧なインタビューも実施し、実際の利用実態に即したリアルな要求を反映。検討段階からの見落としや重複を防ぐため、要件同士の関係性も可視化し、トレーサビリティの高い要求条件リストを構築します。
また、NCMは将来的な変化への柔軟性も踏まえたうえで、必要に応じて要件の優先順位を整理。限られた予算や敷地条件の中でも、最も効果的な実現方法が選べるような判断材料を提供します。設計や施工に向けて「何を満たすべきか」を明確にし、後工程での判断基準となる要求条件を整えることで、プロジェクト全体の整合性と実行性を高めていきます。
2-3 プロジェクト制約条件の整理

プロジェクトを着実に進めるには、「何ができるか」だけでなく、「何が制約となるか」を早期に把握し、関係者間で共有しておくことが不可欠です。NCMは、計画地の地形や法的条件、行政要件、予算・スケジュール、近隣環境、工事条件等、多岐にわたる制約条件を丁寧に洗い出し、可視化します。
リスクを列挙するのではなく、各制約がプロジェクト全体に与える影響や、今後の判断の分岐点となりうる要素を分析。設計や施工の過程で手戻りや想定外の変更が発生するリスクを最小限に抑えるためにも、このフェーズでの戦略的な整理が極めて重要です。
NCMは、豊富な実績に基づく知見と客観的な視点を活かし、先を見越した制約条件の整理を通じて、プロジェクト全体の安定した進行を支援します。
2-4 プランニング

プランニングは、プロジェクトの構造や空間のあり方を初期段階で描き出す、極めて重要な工程です。NCMは、施設内で想定される活動内容や機能、空間、構造、設備といった多面的な視点を踏まえ、ゾーニングや動線計画、階構成、敷地内配置等の最適化を図ります。
この段階での検討は、設計フェーズの前提条件を固めると同時に、事業性・運用性・施工性のバランスを調整する要でもあります。想定される制約条件や将来の施設運営を視野に入れ、整合性と実現可能性を丁寧に検証することで、後戻りのない計画づくりを支援します。
また、NCMは複数案を比較検討し、プラン毎の課題やリスクを明示。設計者の選定前という中立的な立場から、多様な選択肢を提示しながら、発注者の意思決定を支援します。将来にわたって使いやすく、意義ある建築の実現に向けた出発点をともにつくります。
2-5 マスタースケジュールの設定

マスタースケジュールは、プロジェクト全体の工程を見通し、関係者の意思決定や調整のタイミングを的確に捉えるための「時間軸の設計図」です。基本構想から設計、工事、竣工後の移転・運用開始に至るまでの各フェーズを時系列で整理し、必要な準備・審査・調整事項を体系的に可視化します。
NCMは、関係者への相談や社内意思決定プロセス、予算化手続き、行政協議等、建築以外の業務も含めて全体像を構築。検討の順序や承認のタイミング、各ステークホルダーの関与まで丁寧に織り込み、現実的かつ柔軟性のあるスケジュール案を策定します。
また、事業開始時期を重視する場合、コスト管理を優先する場合、品質確保や合意形成に十分な時間を確保する場合など、重視するポイントに応じた複数の工程シナリオを併せて提示し、選択肢の中から最適な方針を見出せるよう支援。初期段階で戦略的なスケジュールを描くことで、以降の設計・工事フェーズにおける迷いや手戻りを防ぎ、プロジェクト全体に一貫した推進力をもたらします。
2-6 事業費・工事費概算の算出支援

プロジェクトの方向性を定めるうえで、初期段階における概算事業費の把握は極めて重要です。建設費に加え、移転費、什器・備品、運営準備費、長期的な維持管理費等を含めた「総事業費」の視点から全体像を捉えることが、的確な判断の前提となります。
NCMは、類似プロジェクトの実績や最新の市場動向、資材・人件費の変動等を踏まえた知見に基づき概算を提示。事業費を要素別・部位別に分解し、複数案の比較や変更シミュレーションにも柔軟に対応できる試算を行います。
さらに、コスト構造の可視化により、計画や仕様の優先順位を整理しやすくなり、今後の判断や調整のための基盤を形成。プロジェクトの実現可能性を早期に見極め、持続的なコストマネジメントにつながる第一歩として、納得感と戦略性のある支援を提供します。
2-7 施設運営与件の整理

施設は完成して終わりではなく、運用開始後こそが本当のスタートです。計画段階で運営の視点を適切に織り込めているかどうかは、使いやすさや維持管理のしやすさに直結し、設計や施工での工夫ではあとから取り戻せない差となって現れます。
NCMは、発注者や運営部門との対話を通じて、将来の稼働率や人員配置、動線、セキュリティ、BCP、エネルギー効率等を具体的に想定し、設計に反映可能な形で運営要件を整理します。また、施設の更新や拡張、ランニングコスト等、長期運用に関わる視点も加え、短期的な利便性と長期的な持続可能性の両立を目指します。
設計者が選定される前の段階で、施設の使われ方を深く検討し、その要件を明確に言語化しておくことは、プロジェクト全体の推進力を高めるだけでなく、建物のパフォーマンスや運営効率を最大化するうえでも極めて重要です。NCMは、「使い続けられる建築」「事業として成功する施設」の実現に向けて、運営段階まで見据えた合理的な判断を可能にする、確かな基盤を整えます。
2-8 設計与件書の作成

設計者に対して発注者の意図や事業の前提条件を正確に伝え、最適な提案を引き出すには、「設計与件書」の質が極めて重要です。この段階での整理の深度が、以降の設計プロセス全体の精度と推進力に直結します。
NCMは、企画・計画フェーズを通じて明らかにしてきたプロジェクトの目的や事業要件、空間構成・性能条件、制約事項、将来の運用方針等を総合的に整理・統合し、設計者にとって明快かつ実行可能性の高い設計与件書を作成します。情報の羅列ではなく、各項目の背景や検討の意図、意思決定の根拠まで丁寧に記述することで、設計者が本質的な提案に集中できる環境を整えます。
また、表現の精度にも配慮し、あいまいさや誤解を招く記述を極力避け、発注者と設計者の間で認識のズレが生じないよう、明瞭かつ論理的な構成とします。これにより、設計段階における方針変更や手戻りのリスクを最小限に抑え、円滑かつ質の高い設計プロセスを実現します。
設計の出発点を丁寧に整えながら、NCMは発注者の理想の実現に向けて着実に歩みをともにします。
2-9 設計者選定支援

設計者は、発注者の構想や目的を共有し、理想の実現に向けて長期にわたり寄りそう、建築プロジェクトの重要なパートナーです。その選定は、創造性だけでなく、対話力や対応力、チームとしての柔軟性等、多面的な資質が問われる極めて重要なプロセスです。
NCMは、提案内容の優劣にとどまらず、設計者が発注者の意図や事業の背景をどれだけ深く理解し、それにどうこたえようとしているかといった「関係性」の視点も重視します。技術的な力量に加え、価値観の共有やプロセスへの適応力まで含めた総合的な評価を支援します。
また、公募条件の整備や評価基準の設計、関係者間の合意形成、ヒアリングの進行等、選定に伴うプロセス全体に丁寧に伴走。透明性と客観性を担保しつつ、発注者が納得感を持って判断できる環境づくりに努めます。
プロジェクトの理念を最も理解し、信頼して託せるパートナーとの出会いを実現するために、NCMは、対話を重ねながら、発注者にとって「この人に任せたい」と思える出会いを丁寧に支えます。
CONTACT
お問い合わせ
建設プロジェクトに関するあらゆる疑問にお答えします。
お気軽にお問い合わせください。
メールでのお問い合わせ
お問い合わせはこちらお電話でのお問い合わせ
Tel. 03-5803-9770 平日9時10分〜18時10分RECRUIT
採用情報
NCMは、総合マネジメントファームのメンバーとして、
ともに未来をつくっていくための人材を募集しています。