4. 発注・契約

発注・契約フェーズは、設計で確定した内容をもとに、設計者や施工者といった主要パートナーを選定し、契約を締結することで実行体制を確立する重要な段階です。ここでの判断は、品質・コスト・スケジュールの整合性だけでなく、事業を確実に成立させ、安定的に運営していくための基盤づくりにも直結します。

このフェーズでは、発注戦略の立案から選定方式や評価項目の設計、提案・見積の評価、契約条件の整理までを段階的に進め、調達全体の精度を高めます。日建設計コンストラクション・マネジメント(NCM)は、発注者の方針を尊重しながらも中立的かつ専門的な立場から支援し、公平性・透明性を確保したうえで、判断の論点と根拠を明確化。合意形成と説明責任を両立し、信頼性の高いパートナー選定を実現します。

NCMはまた、設計施工分離方式・設計施工一括方式・ECI(Early Contractor Involvement)方式等、多様な発注方式に精通。プロジェクト特性や発注者の方針に応じて最適な体制を設計し、納得感のある契約プロセスを構築します。このフェーズで整えられる判断基盤が、設計や工事段階において確実な実行を支えます。

※本章では、建築プロジェクトにおける発注・契約の全体像を整理し、設計者・施工者の選定と契約締結までの流れを紹介しています。NCMは設計施工分離方式や設計施工一括方式、ECI(Early Contractor Involvement)方式等、多様な発注方式に対応し、プロジェクトの特性や発注者の方針に応じて、プロジェクト毎に最適なパートナー選定とプロジェクト体制の構築を支援します。

4-1 発注戦略の策定

建築プロジェクトにおいて発注戦略の策定は、調達活動の出発点であり、設計者や施工者をどのような手順・方式で選定するか、誰にどの範囲で何を委託するかといった方針を明確に定める工程です。事業目的や予算、スケジュール、品質水準等の多様な条件のもと、調達方式や契約形態、競争性、透明性、柔軟性のバランスをどう取るかが問われます。

NCMは、発注者の事業戦略や社内での意思決定の流れに加え、どこまでの責任や負担を社内で担うか、どこまで発注先に任せられるかといった方針も整理の上、プロジェクトの特性に応じた複数のスキームを比較検討し、最適な発注方式を提案します。例えば、設計者・施工者を段階的に選定する段階選定方式、施工者の知見を早期に取り入れるECI(Early Contractor Involvement)方式、提案力や技術力を重視するプロポーザル方式等、多様な選択肢を視野に入れます。

発注方式の選定にとどまらず、調達スケジュールや責任分担、選定基準、契約条件の整理等、調達全体の戦略設計も支援。関係者との対話を通じて判断の論点を明確にし、それぞれの選択肢が持つリスクと期待効果を可視化することで、発注者の納得感ある意思決定を後押しします。

この段階での制度設計と合意形成の精度が、設計・施工段階での混乱や遅延を未然に防ぎ、スケジュール・コスト・品質の整合が取れたプロジェクト運営の土台となります。NCMは戦略的かつ中立的な立場から、最適なパートナー選定と円滑なプロジェクト進行を支えます。

4-2 設計者、施工者選定方式の策定

発注戦略で定めた方針をもとに、設計者や施工者をどのような方式で選定するかを具体化する工程です。選定の公正性や透明性はもちろんのこと、発注者の目的に最も適した設計者・施工者を的確に選ぶために、評価軸やプロセスの設計に戦略性が求められます。

NCMは、プロジェクトの特性や社会的な説明責任の重みを踏まえたうえで、価格重視の競争入札方式、提案内容や実績を評価するプロポーザル方式、信頼関係を重視した指名等、多様な方式のなかから最適な選定手法を検討・提案します。評価項目や評価配点、技術力・実績・体制等の審査指標の設計、評価プロセスの見える化を通じて、納得感と記録性の高い選定を実現します。

また、選定方式の立案にとどまらず、公募要領や評価シートの作成、説明会の運営、質疑対応、評価会議のファシリテーション等、選定プロセス全体を中立的かつ実務的に支援。発注者の意図が候補者に正確に伝わると同時に、社内外からの信頼を得られる調達体制を築きます。

選定方式の設計と運営の精度は、パートナーとの信頼関係やプロジェクトの初動の質だけでなく、その後の計画遂行や事業目的の達成にも大きく影響します。NCMは、専門性と公平性を備えた立場から、発注者の最適な判断を支えます。

4-3 設計者、施工者提案の確認・評価

提案の確認・評価は、設計者や施工者から提出された技術提案や見積内容を多面的に検討し、最適なパートナーを見極める重要なステップです。NCMは、発注者の要求や発注戦略との整合性、実現性、将来的な運用との適合性等を確認しながら、提案の質を中立かつ専門的な立場から評価し、発注者の判断を支えます。

評価にあたっては、価格やスペックの比較にとどまらず、提案の背景にある技術的根拠、設計や施工体制の実効性、課題への対応力、複数案の長所・短所、VE(Value Engineering)やCD(Cost Down)提案の妥当性、将来的な拡張性や運用のしやすさ等も含めて、総合的に検証します。提案内容が建築計画や事業目的におよぼす影響を多角的に分析し、評価軸を明確にすることで、関係者間の合意形成を後押しします。

さらに、必要に応じて質疑対応やプレゼンテーションの実施支援を行い、発注者の意図が候補者に的確に伝わるようサポートします。評価基準の明確化、採点プロセスの可視化、評価シートの整備、委員会の運営、外部有識者の関与調整等を通じて、公正性・透明性・記録性の高い評価プロセスを構築。選定理由が説明可能な状態で残るよう配慮し、将来的な監査や社内外への説明責任にも対応します。

NCMは、発注者の判断が後工程にわたり事業目的の達成やプロジェクト全体の成果に結びつくよう、実務支援と戦略的視点の両方から、納得感ある意思決定を力強く支えます。

4-4 見積内容の確認

見積内容の確認は、設計図書や要求条件に基づいて、提出された見積が適切かつ妥当であるかを検証する重要な工程です。NCMは、見積項目の過不足や数量・単価の正確性、見積内訳の透明性や積算根拠の整合等、多角的な観点から見積内容を精査し、発注者の意思決定を支えます。

特に複数社からの見積比較では、単純な価格差ではなく、提案仕様との一致、施工条件の違い、仮設や安全対策、工程管理方法、工法選定の差異等も踏まえ、コスト構成を丁寧に読み解く必要があります。VE(Value Engineering)やCD(Cost Down)提案との整合性も含めて確認し、技術的背景に基づいた適正価格かどうかを総合的に確認します。

また、予算との整合を図りながら、過大・過少見積のリスクや、将来的にコスト増加につながる不明瞭な費用要素の洗い出しにも注力。必要に応じて再見積や交渉の進め方を助言し、価格調整の方針や優先順位の整理にも貢献します。

さらに、見積に対する疑問点を明確化し、関係者間での共有・確認を支援することで、契約前に潜在的な齟齬や誤解を解消。見積内容の「見える化」と説明のしやすさを高めることで、発注者が納得して契約判断できる環境を整えます。

適正な見積確認は、調達の精度を高めるだけでなく、契約後の変更対応やコストトラブルの未然防止にもつながります。NCMは中立的かつ専門的な立場から、見積内容の透明性と納得感を確保し、発注者の安心と信頼にこたえる支援を提供します。

4-5 設計・監理業務委託契約、工事契約締結支援

契約締結は、設計・施工フェーズの開始に向けた最終段階であり、発注者がこれまで検討・判断してきた内容を法的・実務的に確定させる重要なプロセスです。NCMは、契約内容が発注者の要求と整合し、将来のプロジェクト推進に支障をきたさないよう、契約条件の精査と交渉支援を行います。

契約内容に応じて責任範囲、成果物の定義、支払条件、スケジュール、変更対応、遅延・不履行時の対応、終了条件等、確認すべき内容は多岐にわたります。これらの項目が曖昧なまま契約締結に至ると、後工程でのトラブルや追加コスト、工程遅延につながるリスクがあります。

NCMは、発注者の方針や社内承認の流れ、ステークホルダーとの関係性を踏まえたうえで、契約書の条項を第三者の視点から確認し、助言します。また、関係部署(法務・財務・経理・総務等)との調整や、社内決裁に向けた準備支援も行い、契約締結に向けた実務を着実に前進させます。

契約はプロジェクトの成功に向けた協働のルールを定めるものです。NCMは、中立的かつ実務に精通した立場から、発注者の立場を守りながら、プロジェクトの目的達成につながる持続可能な契約関係の構築を支援します。

選定した設計者・施工者との連携のもと、実際に設計や工事を進める段階へ移ります。
次の工事フェーズの紹介では、発注で築いた体制をもとに、安全・品質・コスト・工程を総合的に支援し、確実な成果へ導くマネジメントを行います。

※本ページで紹介しているマネジメント手法は、NCMのCMrが日々実践している業務内容の一部です。

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