7. 維持保全

維持保全フェーズは、建物の状態や運用実態を的確に把握し、将来に向けた課題や選択肢を整理しながら、無理のない形で改善や投資判断につなげていく段階です。劣化や不具合への対応にとどまらず、法制度の改正や用途変更、耐震・BCP、環境対応までを視野に入れ、長期的な費用対効果(LCC)を踏まえた意思決定が求められます。
日建設計コンストラクション・マネジメント(NCM)は、発注者の立場から、診断・調査を通じて建物の状態や課題を多面的に整理し、将来に向けた選択肢と判断材料を明確化します。投資判断の根拠整理や中長期修繕計画の検討、運営体制の見直しまでを中立的に支援し、施設の特性や組織体制を踏まえた実行可能なシナリオを提示することで、発注者が安心して意思決定できる状態を整えます。
維持保全を、単なる維持管理や延命措置としてではなく、企業活動や社会的価値と結びつく戦略的な取り組みとして位置づけ、建物が将来にわたって使われ続け、選ばれ続けるためのマネジメントを提供します。
7-1 劣化診断調査

建物を安全に長期的に使い続けるためには、目に見える劣化だけでなく、目に見えない兆候も含めた現状の正確な把握が重要です。特に築年数が経過した建物や、地震・水害等の自然災害を経験した施設では、外観からは分かりにくい構造部や設備に不具合が潜んでいることもあり、専門的な知見に基づいた調査・診断が求められます。
NCMは、設計図書の確認と現地調査を通じて、建物全体や構造、外装、設備等、各部位の劣化状況や潜在的なリスクを多角的に評価。劣化の進行度合いや修繕の優先順位、改修の要否・適切な実施時期を整理したうえで、必要に応じて概算コストや中長期的な保全方針の策定も支援します。
また、建物の用途や今後の活用方針に応じて、調査の目的や範囲を明確化し、最適な手法をご相談のうえ選定。「何のために、何を調べるのか」がはっきりした診断を実施することで、単なる現状把握にとどまらず、発注者の意思決定に資する情報を可視化し、将来を見据えた計画的な維持管理につなげます。
7-2 遵法性・リスク調査

建物を継続して安全・安心に運用していくためには、建築基準法や消防法、バリアフリー法等、関連法令への適合状況を定期的に確認することが欠かせません。特に、竣工当時は適法であっても、法改正や用途の変化、増改築によって、現行法に照らすとリスクとなるケースも少なくありません。
NCMでは、建築確認図書や関係法令に加え、施設の現況や改修履歴、運用状況を踏まえ、遵法性や社会的リスクに関わる事項を多面的に調査します。既存不適格や違反の有無、制度改正による影響、将来的に想定される規制対応の必要性等を整理し、見えにくい法的リスクを「見える化」します。
さらに、将来の用途変更や改修に向けての検討課題や、テナントとの調整が必要となる可能性についても、制約条件や行政対応の見通しを含めて早期に把握。発注者が、将来に向けた適切な判断や準備を進められるよう、施設戦略に資する調査・助言を行います。
遵法性・リスク調査は、施設を安心して使い続けるための現状把握であり、次の一手を見据えるための事前準備です。既存の建物を前提としながらも、今後の活用の可能性を維持・拡大できるよう、運用と法令の両面から課題を整理し、リスクの最小化を支援します。
7-3 耐震診断・BCP対応支援

建物の安全性を評価するうえで、耐震性能の確認は欠かせません。特に1981年以前の旧耐震基準で設計された建物や、医療・教育等、特殊な用途の施設では、現在の基準との違いを把握し、必要な対策を早めに検討しておくことが重要です。
NCMでは、既存図書や現地調査をもとに構造形式・用途・立地条件等を総合的に確認し、耐震診断の必要性を精査。必要に応じて、補強の方針やその実現可能性、概算コストまで含めて整理し、設計や工事へのスムーズな接続も見据えてご提案します。
またBCP(事業継続計画)対応支援では、地震だけでなく、台風・豪雨・水害等、多様な災害リスクを視野に入れ、事業やサービスを継続するための優先順位を整理。「どの機能を、どの段階で、どのように復旧するか」といった復旧戦略を具体化します。
非常用電源の確保、設備の二重化・分散化、災害発生時の避難動線や指示系統の整備等、施設面と運用面の両方からの対策を検討し、平時からの備えを支援します。技術的な提案にとどまらず、建物を利用しながら備える実行可能性とコストとのバランスを踏まえた最適な選択肢を提示し、発注者の判断をサポートします。
7-4 中長期修繕・保全計画の策定

建物を長く安心して使い続けるためには、現状の劣化やリスクを把握するだけでなく、それらを踏まえた中長期的な視点での修繕・保全計画の策定が欠かせません。不具合が生じるたびに対応するだけでは、快適な利用環境の維持は困難です。将来を見据えた予防的な保全と計画的な修繕により、施設の価値を維持・向上させながら、ライフサイクル全体でのコスト最適化を図ることが重要です。
NCMでは、既存図書や現地調査に加え、発注者や建物管理者へのヒアリング、劣化診断、遵法性調査、耐震診断等の結果を統合的に分析し、建物の特性とライフサイクルを踏まえた保全方針を構築します。使用状況や運用方針、建物利用やテナントの特性に応じて、修繕・更新の内容や時期、概算費用を段階的に整理し、実行可能性の高い計画としてまとめます。
さらに、将来的な用途変更や更新、BCPの観点からの強化が見込まれる場合には、それらも織り込んだ複数のシナリオを提案。発注者の経営判断や予算計画に柔軟に対応できるよう、長期的な施設マネジメントに資する選択肢を提示します。
修繕計画にとどまらず、「どう使い続け、どう進化させていくか」という視点を踏まえ、発注者とともに段階的な保全戦略を検討・構築します。
7-5 管理運営の最適化支援

建物の価値を長期的に維持・向上させるには、運営・管理体制そのものを定期的に見直し、効率化と品質の両立を図ることが重要です。特に築年数を重ねた施設では、管理コストの上昇や業務の属人化、対応のばらつきといった課題が顕在化しやすく、適正な運用水準を保ちながら、コストの最適化を図る視点が欠かせません。
NCMでは、既存施設の管理体制、業務内容、コスト構造を多面的に分析し、現状の維持管理の実態を的確に把握。発注者や維持管理会社へのヒアリング、現地調査を通じて課題を抽出し、長期的視点からの改善方針を提案します。管理運営業務の棚卸しや委託内容の見直し、契約の適正化、管理会社の選定支援、複数施設の一元管理等、発注者の方針や施設特性に即した具体的な施策をご提案します。
また、運用の継続性と標準化を図るため、業務マニュアルや運用フローの整備も支援。属人化リスクを低減し、将来にわたって安定的に施設を運用できる体制構築を支援します。
管理運営を維持するだけでなく、価値創出の観点も踏まえ、発注者の経営方針や施設戦略に沿った支援を行います。
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