コンストラクション・マネジメント(CM方式)のメリット

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地方公共団体の公共事業や商業施設やホテルの建設といった民間事業などで導入が進む「コンストラクション・マネジメント(CM)方式」。発注者が建設プロジェクトを進めるなかで生じるさまざまな課題を解決するマネジメント手法ですが、実際に導入を検討する際にはその特徴を正しく理解しておくことが大切です。ここでは、コンストラクション・マネジメント(CM)のメリットを詳しく解説します。

コンストラクション・マネジメント(CM)とは

コンストラクション・マネジメントとは、建築に関する高い知識を持った専門家が、発注者側に立って、発注方式の検討、設計者や施工者の選定、品質・コスト管理、工期の管理といった、建設プロジェクトのサポートを行うマネジメント手法のことです。一般的には「Construction Management」の頭文字をとって「CM」と呼ばれています。

なお、実際に発注者の側でコンストラクション・マネジメント業務を行う人のことを「コンストラクション・マネジャー(CMr)」と呼びますが、コンストラクション・マネジャーは技術的な中立性を保ちながら発注者の利益確保をサポートする観点から、設計・施工者とは完全に分離された立場であることが求められます。

通常の建設プロジェクトでは「基本構想・計画」からはじまって、「設計・施工者の選定・発注」「工事」と竣工までに多くの段階を踏む必要がありますが、コンストラクション・マネジメントを採用する際には、原則としてどのフェーズからでも導入することが可能です。

コンストラクション・マネジメント(CM)方式のメリット

コンストラクション・マネジメントの導入は、大規模な建設プロジェクトのノウハウを持ち合わせていない発注者にとって、さまざまなリスクを回避しプロジェクトを完了するための理想的な選択肢のひとつです。では、実際にコンストラクション・マネジメントを導入することによって、発注者側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

コストを削減できる可能性がある

コンストラクション・マネジメント会社は恒常的に複数の建設プロジェクトに携わっているため、建設市場の動向について最新の情報を把握しています。そのため、コンストラクション・マネジャーが設計者や施工者から提示される見積書の妥当性をチェックしたり、コスト削減効果のある戦略をアシストしたりすることで、コストを削減できる可能性があります。

工期を短縮できる可能性がある

専門知識を有するコンストラクション・マネジャーが、設計段階からより効率的な工法を採用することで、工期を短縮できるケースがあります。また、工程管理をしっかりと行うことで、トラブルなどによるスケジュールの遅延を極力抑えられることも期待できます。
※CM方式はコスト削減や工期短縮を保証するものではありません。

ノウハウが得られる

コンストラクション・マネジメントを採用すると、建築に関する高い専門知識を持ったコンストラクション・マネジャーがプロジェクトの推進をサポートします。実際の支援業務のなかで建設プロジェクトを成功に導くためのノウハウをコンストラクション・マネジャーから学ぶことができるのも大きなメリットのひとつだと言えるでしょう。

品質の確保

建物はその用途に応じて求められる性能が異なります。コンストラクション・マネジメントでは、コンストラクション・マネジャーが設計者や施工者から提出される図面や見積書などを細部まで確認し、必要に応じて修正指示などを出し、発注者が求める性能に可能な限り近づくようサポートをします。コンストラクション・マネジメント会社が蓄積しているノウハウや知識を生かしながら品質を落とさずにプロジェクトを推進することができるもメリットのひとつです。

これ以外にも、建設プロジェクトの発注・設計・工事の各段階でプロセスやコストを可視化することによって、透明性や説明責任の確保など社会的な要請への対応にもつながることが期待できます。

コンストラクション・マネジメント(CM)方式)導入時のポイント

コンストラクション・マネジメントは、建設プロジェクトにおけるさまざまな課題を解決するために誕生した建築生産・管理システムです。導入することによって、発注者側の負担を軽減しながら経営方針に合ったプロジェクトを推進できるなど多くのメリットが得られます。

導入の効果を充分に得るためには、まずは依頼する会社を選定するための時間を確保することが大切です。特に初めてコンストラクション・マネジメントを導入する企業の場合は、コンストラクション・マネジメント会社の選定を慎重に行うことが重要だといえます。依頼したい要件をしっかりととりまとめ、要件に合った会社に依頼するようにしましょう。

さまざまな建設プロジェクトを発注者の目線に立ってサポートするコンストラクション・マネジメント(CM)。新たに建設プロジェクトを立ち上げる際には、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
なお、コンストラクション・マネジメントの具体的な導入事例を知りたい方は、「コンストラクション・マネジメント(CM)方式の活用事例を紹介」を併せてご覧ください。

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