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東京會舘本舘建替計画 TOKYO KAIKAN PROJECT

「記憶の継承」と「変わらぬおもてなし」を目指して

東京會舘は1922年(大正11年)“世界に誇る施設ながらも誰でも気軽に利用できる人々の集う社交場”として誕生。ルネサンス様式の初代本舘が皇居の目の前である現在地に建設され、2代目本舘は1971年に建替えられました。このような歴史を持ち、数々の社交の舞台として多くの人々におもてなしをする場として親しまれてきた東京會舘を2012年、三者の共同事業として建替えることとなりました。
えてして人々の記憶とは曖昧であるものの、式典や婚礼など節目となる場所、空間の記憶は鮮明です。1棟の建物として建替えることにより、これまでの記憶や想いが無くならないよう東京會舘らしさとは何かを模索し計画しました。訪れて最初に目にする丸の内4th通りに面する外壁には長さ72mにわたる20枚のレリーフを設け、お客様を出迎える正面玄関の庇(ひさし)には初代本舘からヒントを得て重厚なアーチ状の装飾梁を設けました。一方これまでには無かった長大な専用車寄せを設け、多くの来訪者をスムーズに受け入れる計画としています。
時代と共に変わりゆく形態とニーズ、一方で変わらない記憶とサービスを感じられる施設が実現しました。

(Photo:益永研司写真事務所)


【東京會舘ホームページ】
https://www.kaikan.co.jp

【東京會舘について】
https://www.kaikan.co.jp/about/

東京會舘本舘建替計画

TYPE
INFORMATION
CLIENT
株式会社東京會舘
LOCATION
東京都千代田区丸の内
USE
宴会場、結婚式場、料飲店舗、事務所
FLOOR AREA
174,054㎡
17,617㎡【東京會舘専有面積】
STRUCTURE
S造、SRC造
地下4階、地上30階、塔屋2階
地下3階、地上7階【東京會舘専有階数】
COMPLETION
2018年10月
AWARD
ICPMA The 2020 Awards Alliance Award Winner
TEAM
設計【ビル全体】:株式会社三菱地所設計
設計【東京會舘専有部】:日建設計コンストラクション・マネジメント
施工:大成建設株式会社、高砂熱学工業株式会社、
   斎久工業株式会社、株式会社関電工、
   三菱電機株式会社

※日建設計コンストラクション・マネジメントは東京會舘サイドの
ビル全体に対するオーナーズコンサルティングを実施。

東京會舘、三菱地所、東京商工会議所の3社による共同再開発事業において、日建設計コンストラクション・マネジメントはビル全体における東京會舘サイドのオーナーズコンサルティング、東京會舘専有部の内装設備設計監理、また専有部直営工事に関するコンサルティングを行いました。

オーナーズコンサルティングでは、東京會舘専有部を中心に建物全体のブロックプランを検討し東京會舘として最適なプランに導きました。また外装や車寄せなどの共用部においても東京會舘ならではのグレードを意識した提案を行い、計画から工事段階まで主体的にプロジェクトを推進しました。
計画段階からコンセプト立案、プランニング、外装デザイン、内装設備提案、コスト検証、スケジュール管理等、建設に関わる全てを包括的に行うことで、複雑な体制の中、高品質な建物の実現につなげました。

東京會舘専有部の内装設備設計監理では、宴会場、結婚式場、料飲施設としてのプラン・コンセプト検討、デザイン方針の検討、バックヤードを含むゾーニング検討や防振遮音検討など、デザイン・品質の他、運営に関わる内容も含めて検証を行い、最新設備を備えたハイグレード施設を実現しました。
※東京會舘専有部のうちロビー等共用部、宴会場、チャペル等のインテリアデザインは日建スペースデザインと協働、設備設計は日建設計と協働。料飲施設のインテリアデザインは、乃村工藝社、及びメック・デザイン・インターナショナルが担当しました。

MEMBER’S VOICE

目指すものは同じ

これまでの100年で刻まれた歴史や記憶を残しつつ、最先端技術を駆使して、これからの100年につなげていく。
2012年の再開発事業協定締結より、東京會舘はどうあるべきかを模索し続けた結果、現在の形に至り、2019年のグランドオープンを迎えました。

設計者として最初に打ち出した形を実現するための確固たる想いと、多くの関係者と協働してプロジェクトを推進するマネジメント。
設計とマネジメントを並行して行うことでしか得られない形が、ここにあります。

ディレクター/岩阪 聡一郎

社交の場をつなぐ

東京會舘の設立趣意には次のようなすばらしい言葉があります。
「社会が平和と協調を保ち、市民の幸福を増すためには、何よりも健全な社交の場がなければならない」

社会に広く門戸を開き約100年の歴史を築いてきた社交の場における「これから」を、多くの関係者とともに丁寧に議論と模索を重ねてきました。

その結果、どこか懐かしさも感じることができる場が生まれました。
場における懐かしさとは、新しさがあることでしか生まれないものだと思います。
是非、足を運んでいただけると幸いです。

ディレクター/堺田 健二