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公共施設で初の本格的なCM導入
町田市長に聞くCMの意義

町田市庁舎新築工事CM業務 × 町田市長 石阪丈一氏

  • PROJECT INTERVIEW

2012年に竣工した町田市庁舎は、国内で初めて本格的にコンストラクション・マネジメント(CM)を導入した公共施設です。これがきっかけとなり、全国の公共施設建設事業でもCMの導入が増えてきました。石阪丈一・現町田市長に当時を振り返っていただき、CM導入の効果と公共事業におけるCM導入の必然性について語っていただきました。

町田市庁舎(設計:槇総合計画事務所)  写真提供:町田市庁舎活用課様

町田市長

石阪丈一氏

日建設計コンストラクション・マネジメント

鶴巻真一

日建設計コンストラクション・マネジメント

江原奨

公共事業から政治性を排除することで合理性を保つ

私が市長に就任した当時、既に市庁舎建設プロジェクトはスタートしており、設計者は決定済みで施工者の選定段階でした。市庁舎建設反対の動きもある中で、この先のプロジェクトをどのように円滑に進めるかを考える日々が続きました。税金を使うのであれば、できるだけ政治性を排除し、合理性があり、市民の方にも納得感のあるプロジェクトにしなければなりません。事業の合理性を保つためにも、CMの導入は不可欠だったと思っています。

CMは医療の世界のセカンドオピニオンと同じ

医療の世界ではセカンドオピニオンが浸透していますが、建設の世界でもセカンドオピニオンがあって当然だと思います。医療のセカンドオピニオンは、その医者を信用していないのではなく、別の見方をする人も必要だという意味です。建設プロジェクトでは「設計者や施工者がいるのだから、あえてCMを導入する必要があるのか?」との声をよく聞きますが、設計者や施工者を信用していないのではなく、決断の場には別の立場からのセカンドオピニオンを入れる必要があるということです。医療も建設でも同じというのが私の考えです。

建設期間中に公平性を保つことで、その先何十年もの信頼関係を築くことができる

市の事業では、市民に一番近い立場で物事を考えるプロフェッショナルが必要だと思います。住民側に立って仕事をするコーディネーターやコンストラクション・マネジャーがこれにあたります。市民との信頼関係は、建設に至る6~7年の期間に築いておくことが大切です。完成後の30年の方がずっと長いのですから、最初に費用が生じても、プロジェクトを円滑に進めるためのプロフェッショナルを入れた方が市民との信頼関係も築けると思いました。

設計事務所との調整はクライアントには困難

もうひとつ、設計事務所との調整も重要でした。町田市庁舎の設計は当初、ディテールを見るとまるでオフィスのようだと感じました。
市庁舎は「職員が働く場所=オフィス」という認識をもたれがちですが、市民が相談をしに来て疑問や不安を解決していく場所ですので、純粋なオフィスではないのです。オフィスのようなつくりだと、市民には敷居が高く感じられてしまいます。しつらえや見た目が心理的に与える影響は結構大きく、冷たい、近寄りがたいという印象は厳禁です。こうした調整部分でもCMの力を発揮していただくことができました。

CM導入は、税金を預かっている立場では当然のこと

市の職員は市場動向に疎いので、提示された価格をそのまま信じてしまいがちです。市側はプロジェクトを赤字にしないよう予算とコストの板挟みにあいますが、厳しい状況の中で、CMは「ここまでのコストダウンは無理です」とか、「このような方向性でプロジェクトを進めていきましょう」など、打開策を一緒に考えてくれます。CMは建設プロジェクトにおける保険のようなものです。CMを導入することは、税金を預かっている立場としては当然必要なことだと思っています。

プロジェクト組織

実施設計段階 Construction Document Stage

施工者選定段階 Builder Selection Stage

施工段階 Construction Stage

完成後段階 Post-completion Stage

※掲載内容は2014年時点のものです。

プロジェクト事例

町田市庁舎

町田市庁舎は、国内で初めて本格的にコンストラクション・マネジメントを導入した公共施設。設計性能のレビュー、発注方式の検討、コストマネジメントを主軸に、サイン配置計画、オフィスレイアウトの検討、維持管理及び移転・引っ越しに関する検討など、多岐に渡る業務を遂行。
発注方式としては総合評価方式を採用し、市内業者の採用、市内経済の活性化を、町田市担当者と共に検討した。