建設プロジェクトを納得できるコストで進めるためには?

建設プロジェクトのコストはプロジェクトの成否を決める重要な要素です。建設プロジェクトは、企画段階から始まり、設計段階、工事段階、竣工まで長期に及びます。建設プロジェクトの進行中は、予算内で竣工を迎えられるようにコスト管理を行う必要があります。建設プロジェクトの規模が大きくなるほど建設コストの管理は複雑になり、さまざまな悩みが生じることもあります。そこで今回は、お客さまが設定した予算内で建設プロジェクトを進めていくポイントについて解説します。

建設プロジェクトのコストがだいたい決まるのはいつ?

建設プロジェクトでは、一般的に基本設計段階で建設コストのほとんどが決まります。設計段階の初期ではたくさんある不確定要素も、設計が進むにつれて少なくなり、建設コストの精度も上がっていきます。言い換えると、設計が進むにつれて「やっぱりこうしよう」という変更がだんだんときかなくなるということです。基本設計の段階での決定事項が、コストに大きく影響することは実はあまり知られていません。
コストが膨れ上がってどうしようもなくなる前に、設計段階の初期から建物の仕様とコストのバランスを考えていくことはとても重要です。

納得いくものを納得いく価格で進めるために

設計段階を経て、工事契約段階で見積りをとってみたら「工事費が驚くような金額だった!」とならないようにするために、建設プロジェクトの初期からコスト管理を行うことが大事です。
弊社の基本設計段階までのコスト管理の一例をあげると
・建設プロジェクトの初期段階で建物の与条件、グレード、市況を考えた目標コストを設定する
・設計段階の初期から概算コストの算出を途中途中で行う。
・算出した概算コストの項目に抜け漏れ、重複、妥当性などを確認する。
・予算と概算コストに乖離がある場合は、与条件、仕様、工事範囲、面積などの見直しを具体的に行う。(VE・CD検討)
この他にも、実施設計段階、工事の発注段階、工事段階などで断続的にコストコントロールを行うことで予算変動のリスク低減を図ります。また、建物の建設費の他にも、引越し・移転費用、FF&E(家具・什器・備品)費用など、お客さまが竣工後に建物を使用するための予算についても検討が必要です。

コスト管理はプロジェクトの成否を決める重要な要素です

建物は一品生産であり、プロジェクトの特性、計画内容によって建設コストは異なるため、建設プロジェクトの進捗状況に応じて建設コストを検討しなければなりません。また、予算の上限がない建設プロジェクトは、ほとんどありません。限られた予算の中でお客さまの要望を叶えるために建設コストを管理していきます。お客さまが安心して建設プロジェクトを進められるように、常に目標予算を意識したコスト管理を途中途中で行うことが重要です。

建物・不動産に関連するプロジェクトを検討の際には、ぜひコンストラクション・マネジメント方式の導入を検討してみてはいかがでしょうか。コンストラクション・マネジメントはプロジェクトの初期段階で採用するほどその効果は大きくなります。「コンストラクション・マネジメント(CM)方式のメリット」の記事も併せてご覧ください。

本コラムに関連する弊社のコストマネジメントサービスはこちらでご紹介しています。
その他、各種ご相談は日建設計コンストラクション・マネジメントまでお気軽にご相談ください。

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