多様な働き方について語ろう
―育児休業・時短勤務編―

日建設計コンストラクション・マネジメント(NCM)では、社員同士がお互いを知ることのできるコミュニケーションの場として「NCM Talks」というオンラインイベントを定期的に開催しています。今回は、当社の産休・育休取得を経験した社員5名が育児休業や時短勤務などの多様な働き方について座談会形式で語り合いました。

忠快仁(以下忠)
今日はNCMで育児休業(以下、育休)や産前産後休業(以下、産休)、時短勤務を取得したことのある方々に集まっていただきました。社会的にも男性の育休の取得促進のために法改正などが進められていますが、実際に男性で育休を取得された方はまだまだ珍しいという状況だと思います。今回の座談会では、育休や産休、時短勤務を通して、どのような経験をし、どのような思いや変化があったかということをお聞きすることで、多様な働き方の理解に繋がるような会にできればと思います。まずは自己紹介からお願いいたします。

繁田いづみ(以下繁田)
2015年と2018年に2回、産休・育休を取得しました。今は時短勤務で働いています。

廣野大樹(以下廣野)
私は第二子が生まれるタイミングで2020年10月から2回に分けて約1年間育休を取得しました。今日はその中での経験や課題などをお話できればと思います。

小野奈津実(以下小野)
入社が2020年になるのですが、1人目の妊娠中に入社して2020年10月から産休・育休を取り、2021年4月に職場復帰しています。会社の制度に助けられた点を皆さんと共有できればと思っています。

長瀬暁人(以下長瀬)
現在子供が2人います。2019年7月に入社し、2022年4月から名古屋地区勤務になり、そのタイミングから時短勤務をしています。


私は新卒でNCMに入社し、現在3兄弟の父です。三男の誕生に合わせて2022年2月から4月までの2カ月間育休を取得しました。

社会とNCMの育休取得状況について


NCMや建設業界としても働きやすい環境づくりや、多様な働き方の推進といった、社会的なサステナビリティも重要なテーマと考えています。
その中で例えばNCMの男性の育休取得の現状としては、過去3年(2019年~2022年)で子供が生まれた24名の男性社員のうち7名、割合でいうと29%が育休を取得しています。これは政府が掲げる2025年までに30%という目標にかなり近い数字です。
一方、2021年度の日本における男性の育休取得率は約14%。ここ5年で10%上昇しており、近年増加傾向にあるといえるのですが、目標にはまだまだ届かないのが現状です。またその中の約30%は5日未満の短期間の取得も含まれています。

トークテーマ①『育児休業を取る意義』


廣野さんはNCMの男性では最長となる約1年間の育休を経験しどうでしたか?

廣野
長いと思っていたのですが、すぐ終わっちゃいましたね。笑
勝手に時間が流れていったというか、時間の流れ方がとにかく早かったです。


小野さんは転職から出産・育休・時短勤務と続いていますが、その中で気付きはありましたか?

小野
2020年7月に入社して、10月から産休、12月から2021年4月まで育休を取得しました。そもそも入社して1年未満では育休や育児休業給付金が認められない可能性があった中で、入社後に柔軟に対応してもらったのは大変ありがたかったです。
夫は育休を取っていなかったので、育児や家事全般の負担がどうしても休業を取っているほうにきますよね。女性が復帰する前提であれば、やはり最初の段階から男性も育児に関わっていないと、例えば寝かしつけがママじゃなきゃダメになるなど後々響いてくると思います。そういう意味でも男性が育休を取ることは女性の社会復帰にとっても重要かもしれないですね。


長瀬さんは2022年4月から時短勤務を選択していますね。

長瀬
2022年4月から妻はフルタイムで職場復帰し、子供たちも保育園に入るというタイミングもあり、僕は時短勤務を選択しました。
特に女性側は、育休から仕事に復帰しても「皆さんと同じように働けます」ということを示していかないと実際「担当者」というレベルで仕事を任せてもらえないのが、現実としてあるように思います。育休も時短勤務も、自分自身だけではなくパートナーのキャリアも共に考えることが大事だと思います。


育児を家族で進める長期にわたるプロジェクトと捉えると、最初の「入り(はいり)」って大事だなと感じました。例えるなら「キックオフミーティング」ですかね。そこでいかに要点を押さえるかで、この長期のプロジェクトでの関係性が変わってくるのではと感じています。
私は2カ月の育休でしたが、家族とじっくりコミュニケーションをとり、今後のキャリアプランやライフプランを共有できたことは大事な時間になったと思います。

繁田
子供が熱を出したりしたこともあると思いますが、どう乗り切りましたか?

長瀬
乗り切れたかというと、うまく乗り切れずに単純に他の日の業務量が増えてしまうという経験の方が多いです。しかしそのような経験から、起こり得る事態を想定しながら毎日の業務に臨むことはできるようになったと思います。


確かに思わぬ事態が常に起こり得るんだっていう心構えでスケジュールや仕事量を調整していくことは重要ですね。

長瀬
時短勤務を選択することで、またフレックスタイム制もある中で、自分はこういう働き方をするんだという意思表示になったと思います。皆さん基本的には業務開始が朝の8時とか9時台だと思いますが、フレックスタイム制により極端には朝5時からでも働けるので、自身のライフスタイルに合わせて柔軟に対応することが可能だと思います。


社内外に対しても「自分はこういう働き方をしています」ということを、気軽に話せる関係性を築けていることがベストなのかなと思っています。

廣野
むしろプロジェクト関係者には自らの働き方を話した方がNCMは柔軟な会社だなと思っていただけるかもしれないですね。

繁田
コロナ禍で在宅勤務が急速に普及したことで、私自身は働きやすくなったなあと感じています。もちろんコロナが収束してほしいですけど、リモートワークも含めた柔軟な働き方は、ぜひ続けていきたいと思っています。

トークテーマ②『共に働くうえでチームメンバーに望むこと』


チームメンバーの中で育休取得や時短勤務している人とどう働き、どう接したらいいかわからないという方に向けて、実体験をもとに参考となる情報を伝えていければと思います。

繁田
1人目の産休・育休を経て職場復帰したのは約5年前なのですが、当時はバックアップメンバーとしてプロジェクトに参加していた期間があったのですが、現在は産休・育休を取る前と同様に現場で責任のあるポジションにアサインしてもらっています。この5年で会社や社会の制度や認識も大きく変わってきているのではないでしょうか。
ただ、今でもプロジェクトの状況や会議の予定だったりと、時短勤務の時間内で終わるというのは難しいのも現実としてありますが、私のチームでは、チーム内での情報共有をしっかりやってくれているおかげで、突発的なお休みなどが発生した場合などもスムーズに対応ができています。
あとは、プロジェクト関係者に時短勤務であることを「どう伝えるか」ということは少し悩みますね。特にこれに関して決まった方針がないので、プロジェクトが始動する時に関係者に「繁田は時短勤務です」と、自身の働き方の説明をしてもらえるといいのかなと思います。


社外を含めた関係者に対しても多様な働き方への理解のために、自身の置かれている状況をチームとして情報共有してもらえたら助かりますね。廣野さんは1年間育休を取るとなった時の状況や職場復帰した時に感じたことはありましたか?

廣野
2カ月前には上長に育休を取りたいことを相談をしました。男性で初めて長期で取るとのことで何回か話し合いを重ねていきました。メンバーともしっかり引き継ぎができ、そのおかげもありスムーズに休業に入ることができました。
それを経験して思ったのが、属人化するような働き方はなるべく避けていくことが大事なのだと私自身も含め、そう強く感じました。


確かに育休取得することは事前に共有できるので、引継ぎ期間も十分確保できますね。自分自身も普段から属人化しない働き方をすることもすごく大事ですよね。

トークテーマ③『今後、育休を取得する人へ』


将来育休を取得する可能性のある方や、今後育休を取得する方と関わることもあると思います。NCMとして、こういったことがあったらいいなということや、将来に向けたお話をぜひ皆さんにお聞きしたいと思います。

繁田
私たちが生まれた30~40年前は、女性は結婚や出産で仕事をリタイアするというのが一般的で「共働き」ということが珍しいと思われていた時代だったように感じます。今は女性が産休・育休を取ることが当たり前という文化になってきて、これが30~40年後はどうなっているのかな?と思うと、今度は男女関係なく育休を取ることが当たり前という文化がノーマルになるのではないかと思います。そんな中で、NCMに期待するのは、働き方においても変化する時代の常に一歩先にいっていて欲しいということですね。

小野
産休に入るまでの期間は急な体調不良で健診以外に病院へ行くことや、場合によっては入院するケースなど、様々な予測できない事態が起こる可能性があると思います。そのことを事前にチームに伝えておいたほうがお互いにとって仕事がしやすいかなと思うので、女性で産休・育休を考えられている方がいたら、早い段階で相談することも大事だと思います。
また子供の寝かしつけをすると、疲労からそのまま寝てしまうこともあり、フレックスタイム制を利用して夜遅い時間帯に働くというのは、緊急じゃない限りは難しいと感じています。そのため限られた時間の中で効率的に仕事をするというところは、今までよりかなり意識するようになってきましたね。

繁田
育児は1人目でも2人目でも、新規開拓領域みたいな感じで謎がいっぱいなんですよね。なので気軽に話せるコミュニティって大事だなと思っています。特に私は、NCMの中で私より先に出産されてバリバリ働いている方に相談することで助けられたことが何度もありました。
また産休・育休だけじゃなくて、「小学校の壁」や「お受験」といった育児の悩みを気軽に聞けるコミュニティみたいなものが社内にあればいいなと思っています。
あとは職場復帰する時に日建設計グループで女性向けの育休復帰セミナーがあったのですが、それは男女関係なくぜひ皆さんに聞いて欲しい内容でした。
仕事への自己啓発のセミナーだったのですが、「完璧に掃除をしようとしなくていいよ」とか、「手料理にこだわりすぎなくて大丈夫だよ」など、そんなに頑張らなくても大丈夫だよと言ってもらえてるようで救われた気持ちになりました。

廣野
育休にまつわる些細なことでも何でもいいので、ここに登壇しているメンバーに気軽に相談してもらえたら……そういう環境づくりが大切だと思っています。


社内に相談できる人がいるんだと思ってもらえるだけで、心持はだいぶ違いますよね。

廣野
今日参加されてない人にも、ぜひそういうコミュニティがあるよっていうのを伝えたいですね。

長瀬
男性として時短勤務という制度を活用してみて、実はこの制度の認知度が低いと感じていて、もう少しオープンになってくる必要があるのかなと思います。育休や時短勤務は特別なことではなく、あくまでも多様な働き方のひとつの選択をしているだけだと思っています。
一人ひとりが一緒に働く方のライフスタイル・ワークスタイルを尊重し、多様な働き方を意識しながら共に働くということが重要視される時代になってきていると思います。


こういうコミュニティでの座談会は第二弾、第三弾と続けていけたらなと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。本日視聴者として参加してくださった皆さんもありがとうございました!

※掲載内容は2023年1月時点のものです。

MEMBER’S VOICE

全社公開の本座談会を開催した後、これから子供が生まれる予定の方、既に大きいお子さんがいる方など、様々な方から声を掛けていただきました。育休や時短勤務に関して皆さん様々に思うところがある中で、オープンに会話を重ねることで、ゆっくりと、でも確実に、多様な働き方の「認知」から「共感・浸透」に繋がればと思います。

ディレクター/忠 快仁

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